ニット帽の彼女
ベレー帽の彼女
今日は書斎で
人気作家のM氏は、毎月どこよりも早くS出版に原稿を渡すという約束で新人担当者の〇実嬢に趣味の絵画のモデルになってもらっていた。
先生、出すのは肩までですよ。これ以上要求したら奥様に言いつけますからね。
ははは。 家内はもうすぐ珈琲を淹れて来るよ。僕らには子がいないから、君が娘のようで可愛くて仕方ないんだ。
すみませんねえ、〇さん。いつも主人のわがままに付き合っていただいて。
いいえ、私も奥様のお菓子を楽しみにしているんです。それにネコちゃんたちと遊ぶのも。
呼ばれたように三毛猫が〇実の白い脚にすり寄ってきて、ころんと仰向けになって彼女を見上げた。
あらあら。 みくちゃんはお姉ちゃんが好きねえ。
うふふ。 かわいい。
じゃあ、休憩にしようか。
麦わら帽子の彼女
まなざし
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